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外国人技能実習生制度(介護分野)の手続き

1.外国人技能実習制度(介護分野)の手続き

従前は、外国人技能実習制度は建設業、農業、漁業等1部の職種にしか認められておらず、介護分野での技能実習は認められておりませんでした。

しかし、2015年1月30日、外国人技能実習制度見直しを検討してきた有識者懇談会の報告書が発表されました。

それによると、外国人技能実習制度において介護の分野が追加されるようです。

そして、新制度は2015年度に施行開始され、2016年度から受け入れが開始されることになります。

在留期間としては、最長5年の在留が可能となり、日本語の能力試験に合格した場合に介護施設での技能実習が可能となります。

ただ一定の日本語能力が必要となり、求められる日本語能力は、日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できる程度のレベルです。

これまでこの外国人技能実習制度においては建設業や農漁業の分野で最長3年を限度に受け入れられており、これまで約15万人が受け入れ対象となってきました。

つまりは、今までの仕事は「モノ」が対象でした。

しかし、今後は、介護職という「人」を相手とするサービスの分野に技能実習制度が拡大されます。

実際、日本は高齢化が進み、給料は安く、仕事は重労働のため、介護現場で働く人が現在不足しているのが現状で、この現状は慢性的になっており厳しい状態です。今後、日本人だけで介護現場での人手不足を解消することはできないのではないかと考えられています。

そこで、外国人労働者に着目して問題を解決しようとする方法が考え出されてきました。

外国人の中で、日本で介護業界に入り、働きたいという希望を持っている人は少なくありません。

我が国にとっても、外国人の方にとっても前向きの方向に進むこの在留資格取得の緩和制度は建設的な意図を有するものと考えられます。

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2.介護分野の外国人技能実習制度を利用したビジネスを行う場合の注意点

 

 確かに、介護分野にまで外国人技能実習制度を拡大したということは、長年入管業務や事業協同組合の設立を行ってきた筆者から見ると、革命的なことではあります。そして、法改正を見越して、多くの介護事業者様が相談に来られます。

 ただ、お話を聞くと、ほとんどの方が会社を作って新規事業を追加する程度の気持ちでおられます。

 しかしながら、技能実習生制度は過去に不正が横行したこともあり、現状、外国人技能実習生の受け入れは簡単にできるものではありません。

 実際、これから新規に事業協同組合を設立し、定款変更をし、入管の許可を得て技能実習生を実際に受け入れるとなると、2~3年の長期プロジェクトになります。

 これは会社の場合は早ければ1ヶ月もしないうちに事業を開始できるのと大きな違いです。

 また、外国人の技能実習生=安い低賃金労働者と考えると必ず痛い目を見ます。

 彼ら、彼女らは日本とは違った文化で育ち、様々な思いを持って日本に来ています。ですから、外国人技能実習生の文化的背景や置かれている状況をよく理解し、一人の人間として大切にする気持ちがなければ事業は決してうまくいきません。

 さらに、厳しいコンプライアンス体制も要求されます。

 ですから、外国人研修生受け入れ事業は決して楽な道のりではないのです。

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4.外国人技能実習生を介護分野で受け入れる場合の問題点

では、外国人技能実習生を介護分野で受け入れる場合、具体的にどんな問題点があるのでしょうか。

以下、代表的なものをいくつかあげてみます。

①言葉の壁により効率が悪化してしまう

 外国人技能実習生は、かなり勉強意欲、モチベーションが高く、素晴らしいマインドの持ち主はたくさんいます。

 ただ、外国人であることから、高い専門性を必要とする会話などには、どうしてもついてこられないことが多いです。高度な介護が求められる要介護者(利用者)に対しては、外国人技能実習生をあてることができないという面はあるように思います。

 また、日本語会話と比べると、日本語の文字を書くということは難しいです。ですから、日本語会話ができても、レポートを日本語で書くことができない外国人も多くいます。

 その結果、難易度の高い仕事は日本人介護士や職員が行い、簡単な作業だけを外国人にお願いするということが常態化してしまいます。

 また、難易度の高い仕事でも、報酬は、他の仕事と変わりません。すると、外国人労働者からすれば、わざわざ難しい仕事を覚えようという気持ちも生まれにくくなっています。

 特に、外国人については、仕事の成果と報酬のバランスに敏感です。ですから、経験・能力・仕事ぶりによって報酬が変わるという、あたりまえの報酬体系の整備が必要です。

②日本人の既存の介護職員からの不公平感

 日本は制度上、自由に報酬を決められるわけではなく、介護の報酬は(ほぼ)決まっています。ですから、例えば外国人が、介護福祉士として雇用された場合、その報酬は、日本人のベテラン介護職員とほとんど変わらないのが実情です。実際上も、報酬はほとんど同じなのに、外国人労働者の場合は「安全に入浴介助ができる」「皿洗いができる」といった実務レベルであることも多いです。

 ここは介護業界特有の問題ですが、本来は、経験・能力・仕事ぶりによって変わるべき報酬が、そもそも報酬レベル自体の標準値が低いため、実質的な差異とはならないのです。

 日本人のベテラン介護職員は、ほとんど同じ報酬なのに、介護の指導者として外国人労働者の教育をしながら、さらに自分の仕事もしています。この不公平な報酬体系の見直しをしないと、外国人を教育する日本人の介護職員のほうが辞めていってしまうという懸念があります。

③長期にわたって雇用を続けるためには工夫と努力が必要

 現在、多くの企業で問題となっている従業員の定着性の問題は、外国人の場合はより強くなります。

 まず、外国人技能実習生は、国ごとに、ネットワークを持っていると思ってください。そして、グループのメンバー同士で給与や待遇を比較相談していることが多く、「AAの仕事は、もっと給料がもらえるらしいぞ」といったことを、よく知っています。

 日本人よりも、権利意識が強いので、権利を主張することが多く、こうしたことを軽い問題と考え、放置していると、ある日突然、より条件がよい職場に転職していってしまいます。また、結婚・出産などをきっかけに帰国して、戻ってこない外国人も多くいます。日本人の介護職員からすれば「せっかく日本語も教えてあげて、仕事も丁寧に教育したのに、また一からやりなおし」という虚しさもあります。

④入管の手続きに注意が必要

今後、介護分野での外国人技能実習制度を行うためには、各人ごとに技能実習計画を作成し、外国人技能実習機構に提出する等の手間が生じます。外国人技能実習制度に詳しい行政書士等の専門家を味方につけ、手続き面で問題が起こらないようにしないと、認可の取消し等にあう可能性が高くなってしまいます。

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5.外国人技能実習生の介護分野受入の為の課題

 報酬が低い業界には優秀な人材が集まりにくくなりますので、まず、介護業界の報酬体系を見直すことが急務です。全産業平均よりも、年収ベースで100万円も安い介護職の報酬は、まず、全産業平均並にまで高める必要があります。このとき重要なのは、ただ平均を高めるのではなく、経験・能力・仕事ぶりによって、きちんとキャリアアップしていける形にすることです。そうしないと、高度な介護のできる日本人がいなくなってしまいます。

 現在の介護業界は、他の業界と比較しても、圧倒的に労働力が不足しています。その理由は(1)職場のストレス(2)報酬の安さ、の2点に収斂されます。

 本来は、まず報酬を見直し、その仕事の魅力を高めることで、国内の労働力をひきつけるべきところです。しかし現状は、安い報酬でも働いてくれる外国人を入れるという方向に向かっています。すると、そうした外国人の相手をする日本人にとって、職場のストレスが上がるという現象が起きています。結果として、外国人を教育する立場にある日本人の介護職員が、介護業界を離れるという悪循環につながってしまいます。

 ですから、介護分野への外国人の受け入れについては本来、研修期間の限られた技能実習ビザではなく、長期的な在留資格(就労ビザ)が望ましいとは思います。また、長期安定的に就労してもらえるよう、日々の日本側の受け入れの改善も大切だと思われます。

まとめ

・介護現場にも徐々に就労可能なビザを持つ外国人が増えてきている
・現状、介護業界の報酬体系により、日本人の介護職員に不公平感が広がっている
・このままいくと、簡単な作業しかできない外国人の介護職員ばかりになる
・経験・能力・仕事ぶりによる報酬体系が必要
・介護業界全体の待遇改善と報酬体系の見直しが急務

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6.当事務所のサポート

 当事務所では、上記のような問題を上手に解決しつつ、介護業界への外国人受入を行う事業者様をサポートいたします。

 一般に、新規事業については、うまくいくわわからない状態で早く参入し、マーケットシェアを握った者が勝者となります。これはいつの時代でも変わりません。

 しかしながら、介護の技能実習生の受け入れには多くの複雑な法律条件をクリアする必要があり、これは並大抵のことではできません。

そこで、当事務所が窓口となり、事業協同組合の設立、外国人技能実習生の在留資格の問題につき、10年以上関わってきたプロの行政書士が、事業協同組合の設立から介護分野の技能実習生の受け入れまで徹底サポートいたします。

介護事業所での技能実習生の受入を検討している介護事業者様は、是非一度ご相談ください。

(※参考費用・税別)

1.事業協同組合設立サポート:50万円

2.事業協同組合・定款変更:20万円

3.技能実習生受入のための在留資格申請:30万円

(※上記はあくまで参考費用です。実際の費用はケースにより異なり、上記費用より高くなることもあれば、安くなることもあります。)

外国人技能実習制度(介護)のお問い合わせは・・・

TEL:06-6375-2313(※相談予約制)

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