事業協同組合のデメリット
<事業協同組合のデメリット>
事業協同組合を設立すると、多くのメリットがある反面、株式会社や合同会社と比較した場合、デメリットも存在します。具体的には、以下のようになります。
1.販売価格、販売エリアなど組合員の営業方法が組合に縛られる可能性
株式会社や合同会社と違い、組合は共同事業となるので、組合の利益を守るため、逆に組合員の活動を制約してしまう可能性があります。
2.法人税などが課税されるので、LLP(有限責任事業組合)と比べると税制上のメリットは少ない
事業協同組合は法人課税されますので、個人の所得と通算できる有限責任事業協同組合(LLP)と比べると税制上の特典は少ないといえるでしょう。ただし、法人税については最大22%となっており、会社に比べて優遇されているといえます。
3.行政庁への各種届出や登記など事務手続きが発生する
事業協同組合の設立手続きは非常に手間と時間がかかります。概ね会社設立の10倍、NPO法人設立の2倍ぐらいは手間と時間がかかります。また、通常の会社のような決算、確定申告の他、所轄庁への事業報告の必要があります。
4.最低4名でスタートする必要がある
事業協同組合設立というと、大規模な組織を想像するかもしれませんが、スタートは4名からで可能です。この点、株式会社や合同会社は1名からスタートできることを考えると、デメリットといえなくはありません。
しかし、そもそも事業協同組合として継続的に活動する場合、最低人数の4名での運営では難しくなっていくことが通常です。そうすると、4名程度最初に集められないのに、今後事業を継続していけるかは疑問です。
当初は4名からスタートしても、継続的に組合員を増やしていけるよう、組合員がメリットを感じられるような制度設計が重要です。
ただ、NPO法人設立の場合は、最低10名からとなりますので、NPO法人設立をする場合よりは少ない人数でスタートできます。
ですから、必ずしもデメリットばかりではないと考えることもできます。